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TSS(トレーニングストレススコア)とは?ロードバイク初心者にとっての効率的な練習を実現するカギを握るのは疲労回復!?


ども、yubikeです。ロードバイク歴20年以上、3児のパパとして、仕事と家庭、そしてトレーニングに日々奮闘しています😆

自転車トレーニングをはじめて間もない方の中には、

「練習しているのになかなか速くならない…」

「週末に頑張って乗ったのに、ただ疲れただけで終わった…」

といったことをお悩みに感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?もしかしたら、週末頑張ったその練習、「根性論」でやっていませんか?無論、私yubikeもそう思っていた時期がありました。(もちろん絶対量をやらないとレースでは話にならないことも否めませんが😅)

プロの世界では当たり前ですが、アマチュアやホビーレーサーのトレーニングにおいても、がむしゃらに距離を走る時代から「科学的に管理する時代」へと進化しています。その科学的なトレーニングの”要”となるのが、今回ご紹介するTSS(Training Stress Score:トレーニングストレススコア)です。

この記事では、TSSの基本概念から、あなたのFTPと連携させた具体的な活用法までを徹底解説します。

  • TSSの基本を知り、根性論のトレーニングから脱却する
  • 忙しいサラリーマンパパでも、時間効率を最大化したトレーニングを実現する

ロードバイクをはじめて間もなくレース参戦を目指している方、まずはTSSの基本から一緒に見ていきましょう!

Contents

TSS(トレーニングストレススコア)とは?

TSSを一言でいうと「トレーニングのきつさ(負荷)を数値化したもの」です。

これはアメリカのトレーニング理論で生まれた指標で、サイクリングだけでなく、ランニングや水泳など持久系スポーツ全般で使われています。トレーニングの強度と時間をこの一つのスコアで管理することができます。

TSSの定義と、初心者にとっての最大のメリット

TSSの最大のメリットは、トレーニングの「質」と「量」を掛け合わせた「身体が受けたストレス」を客観的に把握できることです。

例えば、

  • 2時間のゆったりサイクリングで獲得したTSS → 60と仮定
  • 1時間の全力インターバルトレーニングで獲得したTSS → 70と仮定

このように、走行距離や時間だけではわからない「疲労度」を比較できます。短時間で高強度で行った練習と長時間で低強度で行った練習を同じ尺度で比較することができます。計算式は 複雑で私にはよく分からないので、ここでは省きます😅ものすごくざっくりですが、「TSSの数字が大きいほどいい練習ができた」と私は捉えています。特にこの辺の計算はパワーメーターやサイクルコンピューターが自動で計算してくれるため、この数値をどう解釈して強くなるために活用するか、ということを考えていきましょう。

TSSを算出するために必要な「3つの要素」と準備

TSSを正確に算出するためには、主に以下の3つの要素が必要です。wahooのサイクルコンピューターなどがこれらの要素を掛け合わせて自動でTSSを計算してくれるのでご安心ください。

  1. FTP(Functional Threshold Power):
    • 1時間維持できる最高出力の目安。TSSを計算する上で最も重要といえる数値です。FTPについてはこちらの記事もご覧ください。
  2. NP(Normalized Power):
    • 信号待ちや坂道などで出力が変動しても、一定のパワーで走行し続けたと仮定して平準化された出力。実際のトレーニングのきつさに近い指標です。
  3. IF(Intensity Factor):
    • トレーニングの強度を表す数値。こちらの計算式は私でも分かるほど単純でした。   IF = NP ÷ FTP。IFの数値が1.0の場合はFTPと同等の強度。0.85~0.95の場合は比較的数時間キープできる強度。0.75~0.85の場合は少しキツイ感じ。0.6~0.75の場合はゆっくりサイクリングするときの強度をイメージすると良いかと思います。

これらを計測するためには、パワーメーターが必須となります。トレーニングがマンネリ化してきた方は購入のタイミングかもしれませんね😊

効率的な練習の「カギ」を握る科学的なトレーニングの原則とは?

成長の原理:「超回復サイクル」を理解する

もしあなたが、毎週末、一生懸命に練習しているのに全然速くならない、と悩んでいるのなら、それは練習量が不足しているのではなく、「回復」が足りていないかもしれません。私たちの体は、トレーニングでダメージ(負荷)を受けると、それを修復する過程で以前よりも強くなる「超回復」という仕組みで成長します。

もし回復が不十分なまま次のトレーニングに進むと、疲労が蓄積し、やがてオーバートレーニングに陥り、せっかくの努力が無駄になってしまうリスクを避ける必要があります。

TSSは「負荷」であり「回復の必要度」である

上述の通り、TSSは、あなたが1回のトレーニングで身体に与えたダメージを客観的に数値化したものです。

  • TSSが低い⇒ダメージが少ない⇒比較的早く回復が見込める
  • TSSが高い⇒ダメージが大きい⇒積極的に休養をとって回復が必要

つまりTSSは、「どれだけ頑張ったか」ではなく、「次いつ休むべきか」を判断するための、忙しいあなたにとって最も重要な指標なのです。

初心者がTSSを考えはじめる理由とは?

私自身、このTSSの概念を知ってから、限られた時間でのトレーニングが劇的に変わりました。短い時間でもトレーニングメニューを考えて、飽きない練習をすることができるようになりました。また、数値管理をすることで自分がレベルアップしていく過程を楽しめるようになりました。

理由1:忙しいサラリーマン・パパでも効率的に強くなる

TSSは、時間ではなく「負荷」にフォーカスさせてくれます。

  • TSS目標を決める⇒目標達成に必要な強度(IF)と時間が明確になる
  • 「今日はこのあと予定があるから1時間しか走れない」⇒「TSS 60を稼げる高強度のメニューをやろう」

このように、時間がない中でも質の高いトレーニングをしよう、という意識が生まれることで「なんとなく練習する」ことを避けることができます。

理由2:目標レースから逆算して「最適な練習」が明確にする

目標とするホビーレースやイベントに向けてトレーニング計画を立てます。レースの日程から逆引きで獲得したいTSSを設定し、毎週のトレーニング計画に割り当てます。いきなり強度の高い練習をするのではなく、まずはしっかりと走り込みます。レースが近づくにつれて、練習メニューも変えていきます。このように、レースまでの期間を区分けしてトレーニング計画を立てることをピリオダイゼーションといいます。TSSは、このピリオダイゼーションを実践する上で重要な指標です。

TSSが示す数値ってどれくらいの疲労度?

運動後の行動が変わる!「即時的な回復行動」のルール

1回のトレーニングでどれだけのTSSを獲得したかを把握したら、次に必要なのは「その疲労を放置しないこと」です。

忙しいパパにとって最大の敵は、回復が追いつかないまま次の練習に突入し、効率を落とすことです。運動直後の回復行動を決めておくことで、疲労を「見える化」したTSS値を最も実践的に活用できます。獲得したTSSの数値に応じて、翌日までの回復行動を管理するルールを設けるのもありですね。

下のスコア表はあくまで目安です。1日で獲得したTSSと自分が感じる疲労度を照らし合わせながら、これくらいかな、と見定めいきましょう。※疲労具合には個人差があります

TSS疲労具合アクション
50前後心地良い疲労感翌日もバリバリ練習🚴‍♂️
100~150くらい翌日に疲労が残るかも十分な睡眠と休養を
200以上蓄積した疲労が翌日以降も栄養補給と睡眠を最優先に

疲労回復のコツについて、私が長年実践している方法をこちらでお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

【実践編】TSSをあなたのトレーニングに組み込む具体的な方法

あなたの「FTP」を正確に把握しよう(TSS活用のスタートライン)

TSSを有効活用するためには、まず自分のFTPを知ることです。FTPが不正確だと、TSSの数値も意味をなしません。

初心者に一番おすすめなのは、「20分FTPテスト」です。

  1. ウォーミングアップ後、20分間、出し切れる最高の強度で走る。
  2. その20分間の平均パワーに0.95を掛ける⇒これがあなたのFTPです。

FTPは季節やコンディションで変動するため、定期的にチェックする習慣をつけましょう。FTPの計測方法についてはこちらの記事をご覧ください。

初心者向け:週・日別の「TSS目標値」の目安と設定方法

ロードバイク初心者の方が、無理なく、着実に強くなるためのTSS目標値の目安は以下の通りです。

項目目安TSS備考
日別 TSS50~1001日あたりの標準的な練習量(1時間の高強度または2時間の低強度)
週別 TSS250~400週末以外に平日もトレーニングできる方
ロングライド(1回)120~200週末の長時間練習の目安

まずは1週間の獲得TSS300くらいを目標に設定し、体調を見ながら徐々に増やしていきましょう。

TSSの計測・管理に役立つツールとアプリ

TSSの計算・管理は、以下のツール・アプリに任せればOKです。

  • Garmin Garmin製品を使っているなら、アクティビティごとにTSSが表示され、日々の管理が便利そうです。
  • Strava 多くのサイクリストが使っているため、仲間とシェアしたり比較し合ったりするなら最適です。
  • Training Peaks プロも利用する本格的なトレーニング管理ツール。

便利なツールですが、有料で利用する機能などがありますので、チェックが必要です。

手間は掛かりますが、私の場合はExcelで十分かな、という感じでゆる~く管理しています。ピリオダイゼーションをもとにトレーニング計画を立てるシートにTSSを記録しています。LINE友だち登録をいただいた方にもれなくお配りしておりますので、使えそうでしたらご利用ください。

LINE友だち登録はこちらからお願いします🙇‍♂️

【実戦編】TSSを活用した「最適な回復計画」と「無理のない練習スケジュール

【数値で判断】「体力」と「疲労」のバランスでコンディションを一発管理

TSSの概念を応用した「体力レベル(Fitness)」と「疲労度(Fatigue)」の管理は、TrainingPeaksなどの専用ツールはもちろんですが、Excelシートでも十分に楽しみながら管理ができるはずです。

TrainingPeaksなどのツールを使えば自動でグラフ化されるため大変便利であることは間違いありませんが、重要なことは「数値の増減」を把握すること。難しい計算をする必要はなく、シートを一目で見るだけで、現在のコンディションを把握できる状態が理想的です。

長い目で見た「体力レベル」(CTL / フィットネス)

  • 何を示すか: 過去約6週間の平均的なトレーニング負荷。Joe Friel氏が「フィットネス (Fitness)」と示す基礎体力のことです。
  • 考え方: この数値が高いほど、体力が着実に向上している証拠です。これがレースで速く走るための土台となります。

直近の「トレーニングによる疲労度」(専門用語:ATL / 疲労)

  • 何を示すか: 過去1週間に集中して溜まった直近の疲労の度合いです。Joe Friel氏が「疲労 (Fatigue)」と呼ぶものです。
  • 考え方: この数値が高ければ、「疲労がピークに達している」サイン。この疲労が抜けないと、十分なパフォーマンスが発揮されない危険性があります。

回復すべきか、トレーニングすべきか?「調子のバランス」を見る(TSB / 好調さ)

この体力レベルと疲労度の差を見ることで、「今、あなたがベストな状態か」を判断できます。Joe Friel氏が「好調さ (Form)」と呼ぶものです。

バランスの状態意味アクション
疲労度>体力レベル疲労が勝っている状態積極的に休養をとって回復を優先
疲労度<体力レベル疲労が抜け、ベストコンディションレース本番に向けて調整(peak)

トレーニング計画の動画(ピリオダイゼーション)でもお伝えしたように、レース直前で疲労を抜き、コンディションを整えて調子(バランス)を上げていくことが最も重要です。TSSを使えば、この「計画的な回復」を感覚ではなく数値で管理できる点がメリットです。

時間がない日のTSS効率を上げるには?高強度短時間トレーニングの組み込み方

実施時間運動強度(IF)トレーニング内容獲得TSS(目安)
60分IF 0.88インターバル(例:FTP強度20分×2セット)約50
45分IF 0.95L5、L4強度約45
120分IF 0.65週末のロングライド(L2強度)約85

限られた貴重な時間です。ダラダラ乗らず、目標のIF(0.85以上)を設定して、スマートトレーナーなど安全な環境で集中してTSSを稼ぎましょう。結構キツイじゃん、と感じる方は、できる範囲の強度と時間で無理せずトレーニングを楽しんでいきましょう。

※注意※ 「高強度こそ正義」みたいに誤解のないよう補足ですが、しっかりと基礎力をつけてから取り組むようにしましょう。基礎力と応用力の関係を理解した上で、取り組む方が効果的です。基礎力についてはこちらの記事をご覧ください。

週末のロングライドを「無駄にしない」TSSの意識の仕方

週末のロングライドは、ただ景色を楽しむだけでなく、TSSを意識することで練習効果を最大化できます。

  • 意識する点: 休憩や信号停止でNPが下がりすぎないよう、「走っている間は強度を一定に保つ」ことを心がける。安全を最優先に🚴‍♂️
  • 実践例: 坂道ではインターバル的に少し強めに踏み、平坦ではL3(テンポ走)強度を維持するなど、IF(強度)を低くしすぎない意識を持つことで、同じ時間でもより高いTSSを確保できます。

TSSを意識しすぎることはNG!?TSSの注意点と落とし穴

TSSは非常に便利なツールですが、数値だけにとらわれてはいけません。

数値だけでなく「感覚」や「生活リズム」も大切にする

TSSが低くても、仕事のストレスや寝不足で疲労が溜まっている日もあります。

  • 体調と相談する: TSSの数値上は大丈夫でも、起床時の心拍数が高い、集中力が続かないといった身体のサインを無視しないこと。
  • 判断基準: 「TSSの目標未達でも、今日はしっかり休む」という判断こそが、長年楽しく走り続けるためには大切だと思います。TSSは最高の目安でありながらも、絶対的なルールではないことを覚えておきましょう。

TSSが高いだけではダメ!効率の悪い「稼ぎ方」に注意

ダラダラと低強度(L2:リカバリー強度)で長い時間走っても、TSSは稼げますが、強度は上がりません。

  • L2で5時間: TSS 150獲得した場合(A)
  • L4で2時間: TSS 150獲得した場合(B)

AとBは同じTSSですが、L4(FTP付近)のトレーニングは心肺機能や筋力の向上に遥かに効果的です。強くなりたいなら、TSSの高さだけでなく、トレーニングのIF(強度)にも注目し、メリハリのある練習を心がけましょう。

まとめ:TSSを活用して、内容の濃いトレーニングを安全に、ロードバイクをもっと楽しもう!

ロードバイク初心者にとって、TSSはトレーニングの質を劇的に向上させる指標です。

  • TSSは「トレーニングの負荷」を数値化する
  • TSSの活用には、まずFTPの正確な計測が必要不可欠
  • 忙しい私たちには、高強度でTSSを稼ぐトレーニングも取り入れる※基礎力があることが前提

今日からあなたのトレーニングにTSSを導入し、「なんとなく」の練習から卒業しましょう!まずはパワーメーターを導入し、あなたのFTPを測ることからスタートです。


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